再びケニアへ


ケニアという言葉を初めて聞いたのは、いつだったか全く覚えていない。
ただ、子供の頃に「少年ケニヤ」という映画を観た事は覚えている。

気付けば、いつの間にか「ケニアに行きたい」と強く思うようになっていた。
「なぜケニアが好きなのか?」「なぜ行きたいと思ったのか?」と、何度か聞かれた事もあるけれど、自分でも全く分からない。
幼い頃から、私にとってここは特別な国だったのだ。

初めてケニアの地へ降り立ったのは、1997年7月。

当時、たまに目にするツアーは料金が50万円代。20代だった私には,とても出せる金額ではない。
そんな時、新聞に格安のツアーが掲載されたのだ。
主催はJTB。
その日のうちに、行くことを決めた。

あれから9年。
ケニアへの想いは変わらず私の中にあった。
だけど、時間も資金も必要な国だけに、転職や引越しで自分の状況が変わり、仕事も忙しい部署に配置されると行くことができないままでいた。

そうこうしているうちに結婚もし、何となく「もう行かれないかもな〜。。。」とボンヤリ思うようになっていた。

そんな時、殿がふとこんな意味の事を行った。
「行きたいなら、ケニアに行ってきてもいいよ」
「!?」
「そんなに行きたいなら行っといで」

それまで、ケニアに行った事があるという話をした事はあっても、また行きたいとは口に出したことがなかった。
なのに何で分かったんだろう!?
殿には、驚かされるばかりだ。

日本で報道されるアフリカのイメージは良くないものである事が多い。
実際、周囲に「ケニアに行った」という話をしても、「なんでそんな所に?」という反応が多い。
そもそも、ケニアの場所を知っている人すら周囲には少なく、「ケニア」でなく「アフリカ」でしかないのだ。
「ケニア=アフリカ=危険で汚い場所」
それが、一般的なイメージなのだという事は分かっていた。

だからこそ、今回の殿の言葉には驚いた。
私だけを行かせる事を、どんな想いで口にしてくれたのかと思うと、今でも想像するだけで鼻の奥がツンとくる。

行けるとなると、これまで考えないようにすることで封じ込めていた想いが一気に噴き出した。
仕事のスケジュールを考えると、行けるのは7月中旬しかない。
この時、すでに5月中旬。出発まであと2ヶ月。
計画を立てるには遅すぎる位の時期だ。
とにかく予約しないと間に合わない!!!
早速コースを立てなくっちゃ!!!



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