はっ!寝坊してしまった!! 2度寝をしたことまでは覚えている。 覚えている、が。その後ぐっすりと眠り込んでしまったようだ。 時計は9時を差している。 ・・・・既にレンタカーを予約している時間じゃないか。 今日は、佐世保へ1泊2日の旅行へ出かける日だというのに、なんてこった。 大慌てで準備を整え、家を飛び出した。 空は曇天。 なんてこった。 |
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高速道路をひた走り、向かうは西海橋。 急潮流の針尾の瀬戸へかかる西海橋付近では、この時期、「西海橋渦しおまつり」が開催されている。 国道を進んでいると、前方にとてつもなく大きな3本の塔がドンッと現れた。 針尾の無線塔。 真珠湾攻撃の際、「ニイタカヤマノボレ(真珠湾を攻撃せよ)」の暗号を再発信したとされる無線塔だ。 |
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実は、第一目的地は西海橋というよりこの塔にあった。 第2次世界大戦の遺構が、それと知られずここにあるという事実。 しかし。黙して塔は語る、のだ。 |
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到着した西海橋は、桜満開。春爛漫。交通渋滞。我等溜息。 |
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針尾の瀬戸は、日本3急潮流にこそ入っていないが、その流れの速さで知られる場所。 大潮前後のこの時期は、潮流が一層激しさを増し、ダイナミックな姿を見ることができる。 まさに、見ごろ。 |
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潮流は、まるで生き物のごとく、絶え間なくその姿形を変え、時折海の底から大きな流れが湧きあがって来たかと思うと、グルグルと渦を巻き、儚く消えてゆく。 まるで川のように水が流れているここは、本当に海なのか。 上から変わりゆく流れを見ていると、吸い込まれてしまいそうな錯覚に陥る。 ・・・・・危険な場所だ。 |
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この場所が、通りゆく船にとって、いかに難所であるか。その一端を垣間見れる光景を眼下に認めた。 乗客を乗せた観光船がやってきて、流れの速い場所でエンジンを停止。 すると。 ゆらりと船が傾いたかと思うと、あっという間に流されていってしまった。 |