2007.07.14 ションポーレへ空の旅

9:30ホテルのロビーでキャサリンと待ち合わせ。
車に行き、ドライバーさんに「おはようございまーす」と言うと、キャサリンが「ドライバーは日本語ワカリマセン」と言うので、「ハバリザアスブーヒ(おはよう、ご機嫌いかが?)」とご挨拶。
ドライバーさんがニカッと笑う。
昨日と同じドライバーさんだけど、ケニアの国内線へ乗るため、ホテルから15分程走った所にあるウィルソン空港の送りまででお別れなので、結局名前は覚えずじまいだった。ごめんよ。
空港に着くと、こんな車が。
ニベアのタイヤカバーが妙に気になる。
なぜニベア?
ウィルソン空港からセスナ機に乗換え、ションポーレまで約30分の空の旅を楽しむ。
チャーターなので、パイロットさんを入れて4人乗りの小さな小さな飛行機だ。
パイロットさんがイケメンなので、助手席に座ったが落ち着かず。
イケメンは苦手なのである。
「話しかけないでよ〜。」
と思っていると、副操縦士用のヘッドホンを「つけてみてごらん」と渡してくれ、マイクで何か話しかけてきた!!
とりあえず、ニカッと笑ってごまかす事にする。
さっき送ってくれたドライバーさんの心境だわ。とほほ。

セスナ機が飛ぶとき、手でつまみらしきものをクルクルクルッと回すパイロットさん。
・・・えーと、手動なのかな?もしかして。
窓枠のネジが1個なかったりする機体に不安を感じていたのも束の間、高度の低い位置を飛び続けるセスナからの眺めは素晴らしく、クルクルと変わる景色を、窓にかじりつくようにして眺め続ける。

セスナが浮いてすぐに、トタン屋根がびっしりと並んだスラム街が見えた。
スラムには興味はないけれど、こうして目の当たりにすると隙間なく並んだトタン屋根は圧巻だ。
ナイロビ人口の75%がこうした場所に暮らしているという。
・・・とは言っても、全員が全員貧しいというわけではなく、テレビがあったり、綺麗な服を着ている人もいる。
トタン屋根の上にテレビのアンテナ立ってるし。
ほんの少し飛んだだけで、広い敷地にプール付き家屋の高級住宅地が見え、やがて農作物が実る肥沃な大地が見えてくる。
山の峰々が見えてきた。
これを越えて、機体はグレートリフトバレー(大地溝帯。地球の裂け目で、数万年後にはアフリカ大陸が2つに分かれると見られている所。)へ入る。
程なく眼下に塩の湖、マガディ湖が見えてきた。
上空からは見えないが、湖の周囲には大地に湧き出る温泉がある。
旅の計画を始めた時は、車でションポーレへ入り、途中マガディ湖畔で温泉に入りたいと希望したのだけど、ここから先の道路が半端なく激しい道で、雨でも降ろうものなら四駆でも厳しいと現地旅行会社に反対され、セスナをチャーターすることにしたのだ。
実際、ションポーレのゲームドライブに出てみると、平らに見える道でも植物の株が邪魔をして、車は右に左に大きく揺れていた。
90数%の宿泊客がセスナでションポーレ入りするというのも納得だ。
マガディ湖では塩が採られていて、塩田をはっきりと見る事ができた。
ここで塩を採っている会社は、今後タンザニアのナトロン湖での経営も計画しているそう。
ポツポツとマサイ族の村も見えてきた。
マサイはヤリを持ったその格好から、日本人には狩猟民族と思われていることも多いが、実際は遊牧民族で、牛やヒツジを飼って暮らしてる。
食事も家畜の血やミルク、肉から摂る。
真ん中に見える転々は、マサイの買ってる牛ヤギ達で、円形に作った村の真ん中にトゲある木で囲いをして、野生動物に襲われないようにしている。
もうちょっとしたら、放牧にでかける時間かな。
蛇行する川の周囲には緑が茂り、マサイの村も多く見える。
ションポーレの滑走路に到着!
画像の真ん中辺りに、手前から奥へ線が1本見えますか?
滑走路です。
ケニアの空港は写真撮影禁止なのでウィルソン空港では我慢してたけど、ここで乗ってきたセスナをパチリ。
「紅の豚」の飛行機音そっくりな音を出す、可愛らしい飛行機でした。

地面に白く浮き出ているのは、塩。
見上げると、山の斜面に点々と見える建物。
これが今日から2泊するションポーレ。
「shompole」のpoleはポーレとポレの間位の伸ばし方なので、ションポレと言ったりションポーレと言ったりするようだが、ここではションポーレで表記することにする。

地図を見ても、周囲に何もない、道さえもない山の中にポツンと表記されているロッジだ。
ここが、これまで宿泊した中でもずば抜けて素晴らしく心地好いロッジだと知る事になるのは、もう間もなく。

空港にはマサイ族のデニスが運転する四駆が迎えに来てくれていた。
デニスはクリスチャンネームで、マサイネームはオレ・クイア。
ケニアはキリスト教信者が最も多く、観光客にはクリスチャンネームで紹介してくれる。
けれど、当然の事ながらそれぞれの出身部族での名前も持っているのだ。

パイロットさんに別れを告げ、車でロッジへ向かう途中、もの凄い数の鳥が飛び立ち、あちこちから綺麗な小鳥のさえずりが聞こえてくる。
まるで夢の世界へと続く道のようだ。



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